あなたが「忠実な原作再現」と思って観ると、実は全60巻のうち中盤で打ち切られています。
『横山光輝 三国志』は1991年10月18日から1992年9月25日まで、テレビ東京系列(TXN)で毎週金曜19時30分〜20時00分に放映されたテレビアニメです。全47話という構成で、テレビ東京と大日本印刷の共同製作として世に送り出されました。次回予告の中では「アニメ三国志」という呼称も使われており、当時の子どもたちにとっては親しみやすい略称で知られていました。
原作は横山光輝が1972年から約15年かけて連載した漫画『三国志』(全60巻、潮出版社)です。掲載誌の総ページ数が12,000ページを超える超大作で、中国・後漢末期の混乱から三国鼎立までの時代を雄大なスケールで描いた歴史巨編。連載終了から30年以上が経過した現在もなお読み継がれる、日本の漫画史に残る名作です。
アニメ化にあたっては、まずその制作体制の布陣が注目されます。シリーズ構成を鳥海尽三が担当し、音楽は西村麻聡。アニメーション制作はエーゼットが担いました。監督は奥田誠治を中心とした複数名体制で進行しました。こうした盤石なスタッフ陣が、当時の水準から見ても高いクオリティを実現しています。
放送終了後もその人気は衰えず、2003年には全話収録のDVD-BOXが発売されました。さらに2006年には全12巻の単品DVDも発売され、後世のファンにも広く届けられています。ユーキャンの通販でも取り扱われ、コアなファンを中心に今日も根強い需要を保っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送期間 | 1991年10月18日〜1992年9月25日 |
| 放送局 | テレビ東京系列(TXN) |
| 放送時間 | 毎週金曜 19:30〜20:00 |
| 話数 | 全47話 |
| 製作 | テレビ東京・大日本印刷 |
| アニメ制作 | エーゼット |
つまり、約1年間にわたって放映された中規模の歴史アニメということです。
参考:Wikipediaのアニメ詳細情報(スタッフ・キャスト・あらすじ)
横山光輝 三国志 - Wikipedia
このアニメ最大の「意外な事実」が、キャラクターデザインの担当者にあります。原作の横山光輝は独特の丸みを帯びたシンプルな絵柄で知られますが、アニメ版のキャラクターデザインを担当したのは荒木伸吾と姫野美智のコンビでした。この2人が同作の直前に手掛けていたのが、あの『聖闘士星矢』です。
『聖闘士星矢』といえば、目鼻立ちのくっきりしたモデル体型の美形キャラクターが活躍する作品。そのスタッフが三国志に参加したことで、アニメ版キャラクターは原作と比べて頭身が高く、まつ毛も長い劇画調の美麗なデザインに仕上がっています。さらに作画監督として、『北斗の拳』や『魁!!男塾』で知られる斉藤浩信も参加。その結果、原作の名場面の数々がアニメではより熱く、ドラマティックに描かれています。
これは「原作に完全忠実」という期待には応えないかもしれませんが、全国の視聴者を対象としたアニメ番組としての間口を広げる効果があったと考えられます。意外ですね。
声優陣も豪華な布陣です。主要キャラクターは以下の通りです。
特に張飛役の藤原啓治さんと、孔明役の速水奨さんは、それぞれのキャラクターにぴったりとハマっているとファンの間でも評判が高い配役です。速水奨さんは後に歌手としても活躍し、独特の低音が知略家・孔明の知的なイメージを際立てています。声優ファンにとっても楽しめる作品と言えるでしょう。
参考:キャラデザを担当した荒木伸吾・姫野美智の仕事歴について
TVアニメ「横山光輝 三国志」意外なアニメのスタッフが作画担当だった - OHTABOOKStand
このアニメで多くのファンが「惜しい」と感じる最大のポイントが、物語が赤壁の戦いで終了していることです。原作漫画は全60巻という超大作で、劉備は45巻で死去し、その後も諸葛孔明の北伐、三国の争い、そして天下統一への道が続きます。ところがアニメ版は原作でいえばまだ中盤にあたる赤壁の戦い(第47話)で幕を閉じています。
この終わり方が「打ち切り」であったとも言われています。当時の情報によると、視聴率の低迷が主な原因とされており、本来は原作ラストまで描く予定があったと伝えられています。全60巻の物語を47話では消化しきれるはずもなく、孫策の呉郡攻略や袁術討伐のエピソードは省略、公孫瓚・袁術の死や董承の曹操暗殺計画などはわずかなナレーションのみで処理されています。結論は、物語が「未完」のまま終わっているということです。
一方で、アニメ独自の工夫も多数盛り込まれています。
こうした改変により、アニメは単なる原作の映像化にとどまらず、独立した作品としての完成度を保っています。「原作ファン」と「アニメ版ファン」でそれぞれ異なる評価が生まれているのも、こうした背景があるからです。
参考:アニメが赤壁で終わった経緯についてのファン考察
横山光輝の三国志アニメ版が赤壁で終わった理由 - Yahoo!知恵袋
アニメの雰囲気を大きく左右する主題歌も、この作品の重要な要素です。第1期オープニングテーマは、FENCE OF DEFENSE(フェンス・オブ・ディフェンス)が歌う「時の河」。この楽曲は1991年当時から現在に至るまで高い評価を受け続けており、90年代アニメソングの名曲として今も根強いファンを持ちます。
FENCE OF DEFENSEは80〜90年代に活躍した日本のロックバンドで、哀愁漂うメロディラインと壮大なサウンドが特徴です。「時の河」は曲名からも黄河・長江といった中国の大河をイメージさせ、三国志の歴史的スケールと見事にマッチしています。これは使えそうです。なお、音楽全体はアニメ音楽作曲家・西村麻聡が担当しており、作品全体の緊張感と重厚さを高めています。
「時の河」のフルバージョンはニコニコ動画やYouTubeで視聴でき、30年以上前の曲ながら再生数も堅調です。懐かしいメロディに引き込まれ、アニメへの興味が再び呼び起こされる人も少なくありません。原作ファンはもちろん、90年代アニメソングが好きな人にもおすすめできる主題歌です。
参考:「時の河」の歌詞・楽曲情報
FENCE OF DEFENSE「時の河」歌詞 - 歌ネット
現在、アニメ『横山光輝 三国志』は主要な定額制動画配信サービス(VOD)での配信は確認されておらず、視聴環境は限られているのが現状です。Netflix上に「三国志」として登録されているコンテンツは1985年版の別作品であるため、混同には注意が必要です。購入・視聴を検討する場合は、ユーキャン通販が販売するDVD全12巻セットを入手するのが確実な手段となります。またメルカリなどのフリマアプリでも中古DVDが流通しており、価格は状態によって8,000円〜35,000円程度で推移しています。
一方、原作漫画については電子書籍での入手が非常に容易です。ebookjapanでは初回70%OFFクーポン(6回使用可能)が利用でき、DMMブックスでも初回70%OFFの特典があります。全60巻を一気に揃えるなら、電子書籍サービスの初回特典を使うのが時間・費用の両面でお得です。
アニメ版と漫画原作版をどちらから入るかは、好みによって変わります。
三国志の歴史や人物関係を手軽に掴みたいなら、まずアニメ版で桃園の誓いから赤壁の戦いまでの前半をざっと押さえ、その後に漫画原作を読み進めるのがおすすめのルートです。アニメで興味を持ったキャラクターを軸に原作を読むと、物語への没入感がぐっと高まります。漫画を読むなら電子書籍が基本です。
参考:横山光輝三国志の漫画を電子書籍でお得に読む方法
横山光輝『三国志』漫画をお得に読める電子書籍サービスまとめ