CLAMPの挿絵で創竜伝を読んでいたあなた、実はCLAMPは原作小説の挿絵を一度も担当していません。
『創竜伝』は、田中芳樹が1987年に第1巻を発表した伝奇アクション小説です。舞台は現代の日本で、東京・中野区に住む竜堂四兄弟——始・続・終・余——が、日本の裏社会を牛耳る権力者や天界の存在と戦っていく物語です。四兄弟は四海竜王(東海青竜王・南海紅竜王・西海白竜王・北海黒竜王)の転生した姿という設定で、伝奇ファンタジーと現代政治風刺が入り混じった独特の世界観が支持されてきました。
累計部数は2005年2月時点で800万部を突破しています。これは東京ドーム約4杯分の本を積み上げるほどの数に相当します。
ここで重要なのが「版によってイラストレーターが異なる」という点です。多くの読者が「創竜伝=CLAMPの挿絵」というイメージを持っていますが、これは文庫版(講談社文庫)に限った話です。
- 講談社ノベルス版(オリジナル):天野喜孝によるイラスト
- YA!ENTERTAINMENT版:田島昭宇によるイラスト
- 講談社文庫版:CLAMPによるイラスト(1993年から刊行開始)
つまり原作の初出はノベルス版であり、CLAMPが担当しているのは文庫化の際に新たに描き下ろされたイラストです。ノベルス版を先に読んでいたファンの中には、文庫版のCLAMPイラストでキャラクターイメージが大きく変わったと語る声も多くあります。CLAMPの繊細で美麗な線が、竜堂四兄弟をより「美青年」として際立たせた効果は非常に大きかったと言えるでしょう。
文庫版がそれなりのファン層を新規獲得した事実は否定できません。CLAMPを目当てに手に