日本語の舞台なのに、観客の9割以上が韓国人でスタンディングオベーションが起きています。
舞台『千と千尋の神隠し』は、2022年3月に東京・帝国劇場で世界初演を果たした作品です。宮﨑駿監督の不朽の名作を、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターであるジョン・ケアードが翻案・演出を手がけました。
2022年の初演以来、日本国内での再演、そして海外へと活躍の場を広げてきました。2024年のロンドン公演ではイギリスの老舗演劇賞「WHATSONSTAGE AWARDS」において"Award for BEST NEW PLAY"(最優秀新作演劇賞)を受賞するという快挙を達成しています。ロンドンでは135公演で約30万人を動員。アジア最大の演劇都市のひとつとも言われるロンドンのウエストエンドで、日本語のまま上演されて最高賞を取ったのは前代未聞の出来事でした。
2025年7月からは中国・上海文化広場での公演も開幕。そして満を持して、2026年1月7日より韓国・ソウルの芸術の殿堂オペラハウスでの初上演が実現しました。これはロンドン公演、中国・上海公演に続く、日本人キャストによる日本語上演という形での海外展開となります。
会場となる芸術の殿堂は、ソウル特別市瑞草区に位置する複合文化芸術空間で、7つの劇場と3つの美術館・博物館が集まっています。今回の舞台が上演されるオペラ劇場の収容人数は2,283席。帝国劇場の約2倍近い規模です(帝国劇場は約1,897席)。この規模での日本語上演は、演劇史上最大規模の試みと言っても過言ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演期間 | 2026年1月7日(水)〜3月22日(日) |
| 会場 | 韓国・芸術の殿堂 オペラハウス オペラ劇場 |
| 主催 | CJ ENM |
| 上演時間 | 約3時間(休憩20〜30分含む) |
| 上演言語 | 日本語上演・韓国語字幕あり |
| 観覧年齢 | 小学生以上(2019年12月31日以前生まれ) |
つまり、日本で観られなかった人にとっては最後のチャンスになり得る公演です。
参考:公式サイトにて公演スケジュールや最新情報を確認できます。
2026年のソウル公演では、過去の公演からの歴代キャストと新キャストが一堂に会しています。特に注目すべきは、原作映画で湯婆婆・銭婆の声を担当した夏木マリが今回も舞台版同役で出演するという事実。映画のあの名演技を生の舞台で体感できる、これ以上にない贅沢な機会です。
千尋役は上白石萌音と川栄李奈のWキャスト制。両者はそれぞれ異なる個性を持ちながら、千尋というキャラクターを深く体現しています。実際に観劇した人の感想では「上白石萌音の千尋は動き・話し方・仕草まで10歳の女の子にしか見えなかった」という声が多く、その没入感には目を見張るものがあります。
ハク役には醍醐虎汰朗、増子敦貴、阿久津仁愛の3人が交互出演しています。阿久津仁愛は今回のソウル公演で初めてハク役に抜擢された新キャスト。湯婆婆・銭婆役には夏木マリに加え、羽野晶紀と高橋ひとみがそれぞれ担当しています。
キャストは日によって異なります。公式サイトで発表されているスケジュールを事前に確認しておくのが重要です。
参考:全キャストのスケジュール詳細はこちらから確認できます。
キャスト一覧ページ|舞台『千と千尋の神隠し』公式(東宝ステージ)
ソウル公演のチケットは日本からでも購入できます。ただし、一次販売は瞬時に完売になる公演も相次いでいるため、購入のタイミングが非常に重要です。
日本からチケットを取るには、主にインターパークグローバルサイト(NOL World)を使う方法と、YES24のグローバル発売を活用する方法があります。チケット受け取りは当日に劇場のチケットオフィスで行います。スマートフォンのアプリに記載された予約番号とパスポートを持参するだけで手続きが完了しますので、難しくはありません。
気になるのは価格でしょう。座席ランク別の料金は以下の通りです。
| 座席ランク | 価格(ウォン) | おおよその日本円(参考) |
|---|---|---|
| R席 | 190,000ウォン | 約21,000円 |
| S席 | 160,000ウォン | 約17,500円 |
| A席(3階) | 130,000ウォン | 約14,300円 |
| B席(4階) | 90,000ウォン | 約10,000円 |
日本での公演チケットと大きく変わらない価格帯です。実際に観劇した方の体験談によると、1階S席後方でも演出がしっかり楽しめたという声が多く寄せられています。2,283席という大劇場ながら、舞台の演出が大きなスケールに対応しているため、3階からでも十分に楽しめる設計になっています。
チケット購入の際に注意したいのが、グッズの購入には当日チケットの提示が必要なこと。グッズは人気商品から順に完売しやすいため、開演の1時間前を目安に早めに到着することをおすすめします。
NOL World(インターパーク)|千と千尋の神隠しチケット購入ページ
「映像を多用しているわけではないのに、舞台上には本物のファンタジー世界が広がっていた」——実際に観た人たちが口を揃えて言う感想がこれです。
この舞台の最大の特徴は、アニメの世界観を「人間の身体と工夫」だけで再現しているところにあります。特に度肝を抜かれるのが、6本の腕を持つ釜爺の表現。釜爺の長い腕の先に取り付けられた手のパペットを、複数のアンサンブルキャストが操っています。しかも操演者が黒子に徹せず、その表情まで客席に見えるスタイルです。「作り物と分かっているからこそ、アニメのキャラクターが現実に存在するように見える」という、逆説的な魔法が生まれています。
さらに圧巻なのが、暴走するカオナシの表現です。最大12人のアンサンブルキャストが黒い衣裳をまとい、巨大化したカオナシの体を動かします。コンテンポラリーダンスを取り入れた不気味で流れるような動きは、映画で見たあの場面をそのまま目の前に叩き付けてくる迫力があります。
ハクが自分の名前を思い出す場面では、豪華な舞台美術を排除してシンプルな青い背景だけに。アンサンブルキャストに身体ごと持ち上げられることで、空を飛んでいるような状態で名台詞が言われます。「削ぎ落としたからこそ輝く」という演出の妙が、この場面に凝縮されています。
舞台の前後には開演45分前頃からロビーにキャストボードが出ます。どの日にどのキャストが出演するかも発表されるため、推しのキャストを確認してから席に着くことができます。これが原則です。
参考:初演時の詳細な演出レポートが読めます。
映画.com|舞台でしか表現し得ない創意工夫に結実した「千と千尋の神隠し」レポート
日本からソウル遠征で観劇する人が急増しています。実際に多くの日本人ファンが「弾丸1泊2日」で足を運んでいます。日本からソウルへはフライト約2時間で着くため、週末を活用した遠征が現実的な選択肢です。
会場の芸術の殿堂オペラハウスへのアクセスは、地下鉄3号線「南部ターミナル駅」5番出口から徒歩約10〜15分。広い敷地の中を歩くため、初めて訪れる方は時間に余裕を持って向かうことをおすすめします。
公演は昼公演(14:30頃)と夜公演(19:30頃)の2回がある日が多く、夜公演は終演が22時を過ぎることもあります。ホテルまでの交通手段を事前に確認しておくと安心です。
注意しておきたい点を以下に整理しました。
現地に住む韓国人観客が圧倒的多数を占めているため、劇場内で聞こえてくる声のほとんどは韓国語です。それでも日本語で上演されるため、言語的なストレスはゼロ。むしろ「日本の作品が世界で愛されている」という特別な体験として、日本国内での観劇とはまた違った感動があります。
2026年3月22日が千穐楽となる、この期間限定のチャンスです。
参考:ソウル市観光局の公式情報で公演詳細と地図を確認できます。
ソウル市観光局公式サイト|『千と千尋の神隠し』オリジナルツアー情報

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