ダイの声を担当した声優は、実は男性ではなく女性です。しかも2020年版では声優アワードで史上初のW受賞という快挙を達成しています。
2020年版『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は、2020年10月3日から2022年10月22日まで全100話が放送されました。これだけの長期シリーズを支えたのが、現代アニメ界を代表する豪華声優陣です。
主人公・ダイを演じたのは種﨑敦美さんです。女性声優が少年主人公を演じるのは珍しくはありませんが、種﨑さんはこの役で第17回声優アワードの主演声優賞を受賞しています。注目すべきは、同年に『SPY×FAMILY』のアーニャ役で助演声優賞も受賞し、声優アワード史上初となる主演&助演のダブル受賞という前人未踏の快挙を達成した点です。
主人公の相棒・ポップを演じたのは豊永利行さんです。ポップは物語を通じて最も成長するキャラクターの一人として知られており、豊永さんの演技がその繊細な心理変化を見事に表現していると多くのファンから高評価を受けました。
| キャラクター | 声優(2020年版) |
|---|---|
| ダイ | 種﨑敦美 |
| ポップ | 豊永利行 |
| マァム | 小松未可子 |
| レオナ | 早見沙織 |
| アバン | 櫻井孝宏 |
| ヒュンケル | 梶裕貴 |
| ブラス | 緒方賢一 |
| ゴメちゃん | 降幡愛 |
ヒュンケル役の梶裕貴さんは、子供の頃から作品のファンだったと語っており、キャスト発表時には「まさかあのダイの大冒険に自分が声優として参加できるとは」とコメントしています。梶さんはヒュンケルの幼少期も担当しており、キャラクターの長い歴史を一人の声優が体現したという点も見どころのひとつです。
これがメインキャストの基本情報です。
参考:2020年版公式キャスト情報はこちら
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 公式サイト|スタッフ・キャスト
ダイの大冒険の声優陣で特に注目したいのが、悪役側の充実ぶりです。主人公側と同様、いやそれ以上に豪華なベテラン声優が揃っており、物語に重厚な迫力を与えています。
ハドラー役には関智一さんが起用されました。関智一さんは「機動武闘伝Gガンダム」のドモン・カッシュ役などで知られる実力派で、ハドラーが物語の中で見せる変化——最初の悪役から、やがて誇りを持った戦士へと転じていく姿——を圧倒的な演技力で表現しています。
大魔王バーン役は土師孝也さんが担当しました。真・大魔王バーン(若い姿)には子安武人さんが配役されており、老バーンと若バーンという2段階の変身に2人の実力派が充てられています。これは意外な贅沢なキャスティングです。
🗡️ 主なヴィランキャスト
- ハドラー:関智一
- バーン(老年):土師孝也
- バーン(真・大魔王):子安武人
- バラン:速水奨
- ミストバーン:子安武人
- キルバーン:吉野裕行
- ラーハルト:石田彰
- ザボエラ:岩田光央
ラーハルト役の石田彰さんも見逃せません。石田さんは「新世紀エヴァンゲリオン」の渚カヲル役でも知られる声優で、無口でストイックなラーハルトに独特の凄みを加えています。
つまり敵キャラ側にも超一流の布陣が敷かれているということです。
バラン役を演じた速水奨さんは、ダイの父親というキャラクターの複雑な感情を表現するうえで非常に適した重厚な声質を持つ声優です。バランとラーハルトという主従関係を、速水さんと石田さんという2人の実力者が演じているのは、作品のドラマ性をさらに深める要因となっています。
ダイの大冒険は1991年と2020年の2度にわたってアニメ化されており、声優陣は完全に刷新されています。この新旧比較は、作品のファンの間でも長く語られる話題のひとつです。
1991年版でダイを演じたのは藤田淑子さんでした。藤田さんは「一休さん」の一休役や「デジモンアドベンチャー」の八神太一役でも知られるベテラン声優で、元気で純粋な少年ダイの声として多くのファンの記憶に残っています。残念ながら藤田さんは2018年12月28日に68歳で逝去されており、2020年版では種﨑敦美さんがそのバトンを受け継ぐ形となりました。
| キャラクター | 1991年版 | 2020年版 |
|---|---|---|
| ダイ | 藤田淑子 | 種﨑敦美 |
| ポップ | 難波圭一 | 豊永利行 |
| マァム | 富永みーな | 小松未可子 |
| レオナ | 久川綾 | 早見沙織 |
| ヒュンケル | 堀秀行 | 梶裕貴 |
1991年版はTBS系列で放送され全46話で終了しましたが、これは放送局の番組改変による打ち切りが原因でした。原作が完結していないままアニメが終わったため、当時のファンには「未完のまま終わってしまった」という強い思いが残りました。その積年の思いに応えたのが、2020年の全100話にわたる完全版リメイクです。
新旧の声優をどちらが好きかは人によって異なります。懐かしさから旧版を推す声も根強くあり、YouTubeの比較動画には多くの旧版ファンのコメントが集まっています。新版を先に知った世代にとっては種﨑さんのダイが「本物」と感じるように、人それぞれの「ダイの声」があるのが面白いところです。
これは新旧どちらにも魅力があるということですね。
参考:1991年版と2020年版の比較についてはこちら
ダイの大冒険アニメ版はどこまで見れる?新旧の違いや感想まとめ
2020年版でダイを演じた種﨑敦美さんの活躍は、単なる名演技にとどまりません。2023年3月に開催された第17回声優アワードで、声優アワード史上初となる「主演声優賞+助演声優賞のダブル受賞」という前例のない快挙を成し遂げました。
この声優アワードは、1年間の活躍をもとに選出される権威ある賞です。同じ受賞シーズンで2部門を受賞することは制度上存在していたものの、これまで誰も達成したことがなかった記録でした。種﨑さんはダイ役(主演)とアーニャ役(助演)という2つの全く異なる作品の、全く異なる性格のキャラクターを同時に最高レベルで演じきったことが評価されたのです。
💡 種﨑敦美さんの主な受賞歴
- 第17回声優アワード 主演声優賞(ダイ役)
- 第17回声優アワード 助演声優賞(アーニャ役)
- 史上初のW受賞という快挙
ダイとアーニャは年齢も性格も全く違うキャラクターです。ダイは純粋で勇気ある少年勇者、アーニャは超能力を持ったお茶目な幼女という真逆のキャラクターを同じ声優が演じています。こうした幅広い演技スペクトルが種﨑さんの最大の強みといえます。
授賞式で種﨑さんは涙ながらに「ダイくん、ありがとう」と感謝の言葉を述べたことが多くのメディアに取り上げられ、ファンの間でも大きな感動を呼びました。これは使えそうな情報ですね。
なお2023年の声優アワードからは、それまで設けられていた男女別の部門が廃止されました。種崎さんのW受賞はその新しい制度の下での初年度に達成されたものでもあり、声優業界の変化を象徴する出来事でもありました。
参考:種﨑敦美さんのW受賞に関する詳細記事
ORICON NEWS|『声優アワード』全受賞者発表 種崎敦美が主演&助演W受賞で史上初の快挙
表に出ることが少ない収録現場のエピソードにも、ダイの大冒険ならではの見どころが多くあります。公式インタビューや声優コメントから見えてくる「裏側」を紹介します。
まず梶裕貴さんが語った興味深いエピソードとして、ヒュンケルの幼少期についての話があります。梶さんはヒュンケルの子供時代も担当し、さらに「赤ちゃんのヒュンケルの声も収録したが、さすがに落選した」とSNSで明かしています。声優が赤ちゃんの泣き声まで収録していたという事実は、キャラクターへの向き合い方の深さを物語っています。
ゴメちゃん役の降幡愛さんもユニークなエピソードを持っています。降幡さんはゴメちゃんを演じながら、実はヒュンケルの赤ちゃん時代の声を担当したことがあると明かしました。降幡さん自身も「実はそうなんです」と語っており、キャストが複数の役を担う場面もあることがわかります。
🎙️ 声優陣の収録エピソード
- 梶裕貴:ヒュンケルの赤ちゃん声まで収録した(落選)
- 降幡愛:ゴメちゃん役のほか、ヒュンケルの乳幼児期も担当
- 種﨑敦美:子供の頃から原作漫画・旧アニメのファンだった
種﨑敦美さん自身がダイの大冒険の子供時代からのファンだったという事実も注目です。種﨑さんはインタビューで「子供の頃に原作漫画とアニメを見ていた」と語っており、自分が憧れたキャラクターを自分の声で演じるという特別な経験をしています。ファンが主人公の声優になるという、まるでアニメのような実話です。
また、ラーハルト役の石田彰さんが追加キャスト発表時に収録されたコメントでは、キャラクターへの強い思い入れが感じられる内容が話題になりました。石田さんはラーハルトの持つ剣士としての誇りと孤独を、深く理解した上で演じていると語っています。
このように声優陣がキャラクターに深く向き合っていることが、全100話という長期にわたる作品に緊張感と感動をもたらした大きな要因のひとつと言えます。収録現場のこうしたエピソードを知った上で改めて作品を視聴すると、また違った楽しみ方ができるはずです。
参考:公式サイトでの声優インタビュー一覧