中古の全巻セットを1,000円以下で買うと、メルカリでは同じセットが19,800円で売れています。
「バンパイアハンターD」の漫画版は、原作者・菊地秀行と作画担当・鷹木骰子(たかきさいこ)のタッグで生まれた作品です。メディアファクトリー(現KADOKAWA)の「月刊コミックフラッパー」にて連載され、MFコミックス フラッパーシリーズとして全8巻で完結しています。
原作小説「吸血鬼ハンターD」シリーズは1983年1月に第1巻が刊行されて以来、現在までに56巻以上が刊行されている長大なシリーズです。漫画版はそのうち「D-北海魔行」(原作7・8巻相当)までを映像化しており、原作の世界観を忠実かつ美麗な画風で再現しています。
| 項目 | 詳細 |
|------|------|
| 原作 | 菊地秀行 |
| 作画 | 鷹木骰子 |
| 出版社 | メディアファクトリー → KADOKAWA |
| 掲載誌 | 月刊コミックフラッパー |
| レーベル | MFコミックス フラッパーシリーズ |
| 巻数 | 全8巻(完結) |
| 世界観 | SF・西部劇・オカルトアクション融合 |
これが全体像です。
鷹木骰子という作画家は、実はもともと菊地秀行氏のファンとして交流があった人物で、菊地氏の直接指名によってコミカライズを担当するに至ったという逸話があります。単なる「原作の絵付け」ではなく、作者同士の深い信頼関係から生まれた作品という点が、他のコミカライズ作品と一線を画しています。
舞台は西暦12090年、遥か未来の地球です。「貴族」と呼ばれる吸血鬼たちがかつて人類を支配し、彼らが生み出した大蜘蛛・狼男などの超常生物が世界中に蔓延している世界です。イメージとしては、中世ヨーロッパのゴシック建築とSFの宇宙技術が同じ風景に混在するような、独特の時代感覚があります。
主人公「D」は、吸血鬼(貴族)と人間の間に生まれたダンピールです。つまり結論は、Dはどちらかといえばモンスターとヒーローのはざまに存在する孤独な存在です。
Dの特徴を整理すると。
- 🗡️ 容姿:黒衣をまとった長身の美青年で、旅人帽と長刀がトレードマーク
- 🤚 人面疽:左手に宿る寄生生物で、四大元素(土・水・風・炎)を操るほか皮肉と情報提供を担う相棒
- 🧛 出自:吸血鬼の大王「神祖(ドラキュラ伯爵)」と人間の母との間に生まれた唯一無二の存在
- ⚔️ 戦闘力:貴族をも圧倒するほどの剣技と超自然的な能力を持つ
「神祖の息子」という設定は、原作を通じて重要な意味を持ちます。意外ですね。ただDは一切その出自を武器にせず、孤独に仕事を続けます。人間社会からも貴族社会からも拒絶されながら旅を続けるその姿は、どこか西部劇のガンマン的な哀愁を漂わせています。
ゴシックホラー・SFファンタジー・西部劇が融合したジャンルは当時の日本では非常に珍しく、シリーズの原作小説累計は1,000万部以上に達しています。漫画版もその世界観を余すところなく再現しており、読者から「絵がDのイメージそのもの」という評価を長年受け続けています。
吸血鬼ハンターD - Wikipedia(シリーズ全体の歴史・登場人物・メディアミックス情報)
漫画全8巻は、原作小説の「第1作」から「D-北海魔行(下)」までを映像化しています。各巻の収録内容は次のとおりです。
| 巻数 | タイトル | あらすじ概要 |
|------|----------|------------|
| 1〜2巻 | D(第1作) | 辺境の少女ドリスが貴族に噛まれ、Dが彼女を救うために貴族の城へと挑む |
| 3〜4巻 | 妖殺行 | D-妖殺行を原作とした編。怪物が蔓延る土地でDが依頼をこなす |
| 5〜6巻 | 死街譚・聖魔遍歴 | 辺境の街を舞台にしたDの戦いと、新たな貴族との死闘 |
| 7〜8巻 | 北海魔行(上・下) | 北の地を舞台に複数の勢力が絡み合う大規模な死闘が展開 |
漫画8巻が完結しています。
特に第1巻は少女・ドリスとDの出会いを丁寧に描いており、シリーズ入門として非常に読みやすい構成になっています。また、左手の人面疽(じんめんそ)が随所でユーモラスな言動を発し、重苦しい世界観に絶妙なアクセントを加えています。
なお原作小説は全56巻以上という膨大なシリーズですが、漫画版8巻で描かれるのはあくまでそのうちの序盤です。漫画版から入ってシリーズに魅了された読者が、その後原作小説に移行するというルートが多く見られます。これは使えそうです。
漫画版「バンパイアハンターD」全8巻は現在新品での流通がほとんどなく、入手には中古市場やネットショップの活用が必要です。
主な購入先と価格帯は以下のとおりです。
- 📦 ブックオフ(セット購入):全8巻セットが計2,200円程度から。1冊あたり275円〜という価格設定の場合もある
- 🛒 メルカリ:全巻セットが4,000〜19,800円と幅広い(初版・帯付きは高額になる傾向)
- 🏷️ ヤフオク:過去120日の落札平均は約8,919円(2026年現在)
- 📚 駿河屋:中古コミックセットで4,350円〜程度で出品されることがある
- 💻 各EC通販(セット専門店):全巻セット880円(税込)〜の業者も存在
中古相場が条件次第で大きく動くのが原則です。
初版・帯付きの全巻セットはコレクター需要があり、メルカリでは19,800円のプライスがつく事例も確認されています。一方で読むことが目的なら、ブックオフのオンラインや駿河屋で探すと、状態は並でも安価に全巻揃えられる場合があります。
電子書籍については、漫画版「バンパイアハンターD」(旧MFコミックス版・全8巻)はKindleやコミックシーモアなど各プラットフォームで購入可能です。1冊あたり約550〜700円程度が目安で、8巻分合計でも5,000円台に収まります。紙の状態を気にせず読みたい場合は電子書籍が確実です。
ブックオフオンライン:バンパイアハンターD全8巻セット(在庫・価格の確認)
2024年は「吸血鬼ハンターD」シリーズにとって大きな節目の年でした。1983年の原作第1巻刊行から数えて40周年を記念し、シリーズでも特に人気の高いエピソード「薔薇姫」の新コミカライズが発表されたのです。
連載は朝日新聞出版のWebコミックサイト「ソノラマ+」にて2024年7月31日よりスタート。作画は旧コミカライズ版と同じ鷹木骰子が再び担当しています。同氏は「近年は夫婦ユニット『るるい宴』として活動する」とも伝えられており、再びDの世界に帰ってきたことでファンから大きな歓迎を受けました。
コミックスは朝日新聞出版「ソノラマ+コミックス」より2025年1月8日に第1巻が発売されており、第2巻も刊行済みです。電子書籍はAmazon Kindle・BookLive・U-NEXT・コミックシーモア・Rentaなど主要なプラットフォームで購入できます。
「薔薇姫」のあらすじについては:薔薇に包まれた城館に住む「姫」と呼ばれる貴族が、反乱を起こす村人たちに対して苛烈な報復を繰り返す。その惨劇の地にDが足を踏み入れる、というものです。「薔薇の四騎士」と呼ばれる強大な護衛たちとDが繰り広げる死闘が見どころです。
旧全8巻を読み終わった後に「薔薇姫」へと続く流れは、シリーズファンにとって最高の読書体験になるはずです。旧作を読むことが条件です。
PR TIMES:吸血鬼ハンターD40周年特別企画「薔薇姫」コミカライズ発表(作者コメント・あらすじ詳細)
実はバンパイアハンターDの漫画版は、日本国内よりも海外で極めて高い評価を受けています。これは多くの日本のファンが知らない事実です。意外ですね。
アメリカのDMP(Digital Manga Publishing)社が英語翻訳版を出版しており、その出版ペースが遅いためファン間で話題になるほどの需要があります。Redditの「Manga Collectors」コミュニティでは「7巻が出てから10年待ってついに8巻が出た」という書き込みが多くの共感を集めました。
鷹木骰子の描く「D」は、海外のマンガイベント(コンベンション)でもコミッションで指名されることが多いと伝えられています。これはつまり、日本のファンが旧作8巻を数千円で手放している一方、海外のコレクターが日本語版を高値で探し回っているという状況が起きているということです。
さらに2000年公開のアニメ映画「バンパイアハンターD: Bloodlust」(川尻善昭監督)は日米同時公開されており、この映画への評価をきっかけに原作や漫画版を求める海外読者が急増しました。2008年9月時点でシリーズ全世界累計部数は1,700万部を突破したとされています。
こうした国際的な認知度は、バンパイアハンターDが単なる「昔の漫画」ではなく、世界的なファンベースを持つ生きた文化財であることを示しています。漫画版全8巻を手元に置いておく価値は、長期的に見て下がるどころか上がる可能性があります。漫画版が注目される理由は明確です。
コミックナタリー:吸血鬼ハンターD薔薇姫1巻発売ニュース(2025年1月)